学習の基本

初回投稿ということで、私の考える「勉強の基本」についてお伝えします。

一言で言って、勉強とは「反復」のことです。それも、二度や三度の繰り返しではなく、徹底的に反復し、もう二度と忘れないというレベルまで覚えこむことです。言ってしまえば単純なことですが、この本質を実践できている子は実際にはほとんどいません。

定期テスト前などに、生徒たちは「ワークが終わらない」「やっと英語のワークが終わった」などと口々に言いあいますが、その度にこちらは、「君たちの言う『終わった』というのは、単に『埋めた』だけだ。本当に『終わった』というのは、ワークに載っている全ての問題が完全に頭に入っていて、テストに似たような問題が出たときに「思い出して」正解できることだ。簡単に『終わった』なんて言ってはいけないし、本当の『終わり』を目指して、ワークは何度もやらないといけない」というようなことを伝えます。

ですが、現実には、生徒たちは目の前のワークを埋めることや、それをとにかく期限内に提出することに気が向い てしまい、おざなりな勉強に終始してしまうようです。

学習の一連の流れというのは、

  1. 塾の授業での新出単元予習
  2. 塾の宿題での復習
  3. 学校の授業で再び説明を受ける
  4. 学校の宿題での復習
  5. 家庭学習での復習
  6. テスト前の復習

 といったものになりますから、都合五回の復習の機会があるのですが、多くの生徒は②~⑤に全力を注ぐことをしません。ろくに問題も読まずに「分かりませんでした」と言って宿題は投げ出す、学校の授業中は他のことに気を散らせて先生の説明は聞いていない、家庭学習はとにかく早く終わらせてテレビマンガゲームスマホとやりたいことにばかり時間を使う。これでは反復などは夢のまた夢で、せっかく習ったこともすぐに頭から抜け落ちてしまいます。テスト前になって慌てて復習しても、さっぱり身につかないのは当然のことになります。

反対に、①~⑥全てに高い集中力を持って臨んでいる子は、高い学力を保つことができます。塾に通っていなくても成績がいい子がいますが、彼らは③~⑥までの流れ全てに全力で取り組 んでいるはずです。

 学校での勉強というのは、「習ったことを繰り返し練習して身に付ける」だけのことです。新しく習うことは塾でちゃんと説明します。何を覚えればいいかも全て伝えます。特に初期段階でしっかりした説明を受けることはスタートとして非常に有利ですし、それが塾の役割の一つでもあります。後は、自分がきちんと覚え込むこと、それが学力を高める唯一の方法です。

当然時間はかかります。しかしそれは当たり前のことで、学力を高める、成績を上げるというのは時間がかかることです。短時間でパッと奇跡のように成績が上がるコツ、などというものはありませんし、今までにそんな実例は見たこともありません。

これまで教えてきた子供達の中でも、特に成績が上がった子達は、教科書や参考書は何回にも渡る書き込みでボロボロでしたし、家庭学習に使うノートを週に一冊以上のペースで消化する子もいました。授業前に2時間も早く来て自習する子もいれば、土日は必ず自習室に何時間もこもっている子もいました。

習ったことをひたすら繰り返し身に付ける、簡単に「終わった」「もうやることがない」などと言わず、しっかり覚えるまで何度もやり直す、こういう地道な努力の先にしか成績上昇という結果は待っていません。

塾でも、宿題や小テストを通じて、子供達には反復練習ができるように指導しています。ご家庭でも、子供達の「もう終わった」「やることない」「全部やった」という言葉に惑わされず、充分な学習時間の確保をお願いしたいと思っております。

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